どんな人?
- 名古屋章は、NHK専属声優を経て後に俳優としての活動を開始。1955年に公開された映画『ノンちゃん雲に乗る』でスクリーンデビューを果たした。
- テレビドラマにおいては『ウルトラマンタロウ』シリーズ(TBS系)で隊長役を務め、子供人気を獲得。『スクール・ウォーズ』(TBS系)でライバル校の校長に扮するなど、多彩な役柄を担った。
- 2003年6月24日、肺炎のため72歳でこの世を去った。
生い立ち
演劇に熱中
中学生時代、演技に熱中するあまり、学校をさぼって演劇部の活動時間にだけ顔を出していたという。以下は名古屋の実弟が明かしたエピソードである。
ある日、担任の小川先生(数学)が我が家を訪れ、「お宅の章くんは近頃学校に来ませんが、どうしたのですか」。
母は「いえ、毎朝お弁当を持って家を出て行きます」。
その晩父親の詰問に「授業がつまらないので、昼間は靖国神社の境内や千鳥ヶ淵の土手で寝そべって時間をつぶし、放課後3時頃、演劇部に“登校”していた」と白状したそうだ。[出典1]
芸能活動
声優として
旧制九段中学校を卒業すると、1949年にNHK放送劇団養成所に入った。
のちにNHKの専属声優となると、当時人気を博していたラジオドラマ『一丁目一番地』や『白鳥の騎士』などに出演して脚光を浴び、主演した『ぼたもち』では芸術祭賞を受賞している。[出典2]
俳優として
NHK放送劇団養成所から文学座に移籍すると、声優から俳優に転身し、1955年に公開された映画『ノンちゃん雲に乗る』でスクリーンデビューを果たした。
1960年代からは映画出演が増加。1962年に公開された『放浪記』や翌年公開の『天国と地獄』では強烈なインパクトを残した。[出典2]
テレビ界に進出
1970年代頃からはテレビ界に進出し、青春ドラマ『これが青春だ』や『俺たちの旅』(共に日本テレビ系)で存在感を発揮した。
また『ウルトラマンタロウ』シリーズ(TBS系)では隊長役を務め、子供人気を獲得。1991年には人形劇『ひょっこりひょうたん島』(NHK)のリメイク版でドン・ガバチョの声を担当した。
『スクール・ウォーズ』(TBS系)ではライバル校の校長に扮するなど、多彩な役柄を担ったことで知られている。[出典2]
私生活
脳腫瘍を患う
2003年3月に脳腫瘍のため6時間にも及ぶ手術を受け、4月から出演予定だった舞台『マッチ売りの少女』を降板したものの、その後は自宅療養を経て仕事に復帰した。[出典2]
死去
2003年6月14日、自宅で腰を強打し病院に運ばれた名古屋はそのまま入院。
当時マネージャーが「仕事が入っているので、早く元気になってください」と声をかけると、名古屋は「分かってるわ」と笑顔で応じたという。
しかし同月23日の夕方に肺炎を起こし、容体が急変。
翌24日の朝、妻と長男らに看取られて亡くなった。72歳だった。[出典2]
惜しむ声
俳優・渥美国泰は、名古屋の急逝を受けて悲痛な胸の内を明かしている。
「今まで仕事をことわったことがないのが自慢だったが、今後は分にあった仕事を少しずつしながら、少しでも楽しき事に出会えるよう頑張ってゆくよ、アーちゃん一緒に楽しく生きようね」なんて快気祝いの手紙をくれたばかりなのに。
生涯たった一度、劇団雲で共演した「毒薬と老嬢」の2人の大泥棒コンビは大好評だった。
病室であれもう一度やろうか、なんていっていたのに。 [出典1]
出演
テレビ番組
- 金田一耕助シリーズ 獄門島(1997年)
- 八代将軍吉宗
- 暴れん坊将軍 第11シリーズ
- われら青春!
- 花嫁衣裳は誰が着る (フジテレビ)
- 高校聖夫婦 (TBS)
- 遠山の金さん
- 名奉行 遠山の金さん 第2シリーズ
- 暴れん坊将軍 第10シリーズ
- 人情教授夏目龍之介 伊豆の踊子殺人事件
- 水もれ甲介
- スクール☆ウォーズ