どんな人?
- 板橋美波は、リオデジャネイロ五輪高飛び込みで日本代表入りをしている飛込競技選手。2015年6月には、FINAダイビンググランプリで世界一に輝いた。
- 板橋の持ち味は、体のバネを生かしたジャンプ力と鋭い回転力。特に回転力は男子顔負けのものだという。
- 飛び込みの大技である「前宙返り4回半抱え型」と「後ろ宙返り3回半えび型」は、世界の女子で板橋にしか飛べないと言われている。
選手活動
急成長を遂げ世界1位に
飛込競技の世界に飛び込んだのは、小学校3年生のとき。
当時通っていたJSS宝塚スイミングスクールで馬淵崇英コーチに「飛び込みをやってみないか?」と誘われたことがきっかけである。
見た印象では簡単そうだな、と思ったので「やってみたいです」と言ったんですが、やってみると、コワくてコワくて、チョー泣きそうになりました(笑)
と板橋は当時を語る。
ところが、慣れてくると飛び込みの面白さにハマった。[出典1]
それまでは板飛び込みに専念していたが、中学1年の冬から本格的に高飛び込みを。[出典2]
その後、中学2年生で初出場した一般の大会で、いきなり準優勝。
そして2015年6月には、FINAダイビンググランプリで世界一に輝いた。[出典1]
板橋の急成長に馬淵コーチも、
最初に出会ったときは全然、特別な能力があるとは思わなかった
と驚いている。[出典2]
持ち味は「ジャンプ力と回転力」
板橋の持ち味は、体のバネを生かしたジャンプ力と鋭い回転力。
JSS宝塚の馬淵崇英コーチは、
回転力は女子の想像の範囲を超えていて、男子のトップ選手にも引けを取らない。
ここまでの女子選手は見たことがない
と素質にほれ込んでいる。[出典2]
板橋にしか出来ない大技
板橋が得意とし、主戦場にするのは高さ10メートルの固定台から演技を繰り出す高飛び込み。
この種目では現在、世界の女子で彼女にしか飛べない大技を2つ持っている。
①前宙返り4回半抱え型
1つ目は「前宙返り4回半抱え型」。
女子は3回半までが限界といわれるが、板橋は同技を2014年6月の国内大会で初めて披露した。
その時は入水に失敗したが、同年8月の全国JOCジュニアオリンピックカップでは鮮やかに成功。
90点台の高得点をたたき出した。馬淵コーチは、
練習でも普通に飛べるようになってきた。美波にとって非常に難しい技ではなくなってきている
と自信をのぞかせる。[出典2]
②後ろ宙返り3回半えび型
もう一つの大技は、今では誰も挑んでいない「後ろ宙返り3回半えび型」。
数年前には外国人選手が飛んだことがあるものの、膝を曲げずに両足をそろえ、体を腰から折る「えび型」は回転力を生み出すのが難しい。
板橋も「まだ実戦で使い物になるかどうか……」と手応えを得るまでには至っていないが、日々の練習での成功率は上がっているという。[出典2]
初のリオ五輪代表入り
飛び込みのリオデジャネイロ五輪最終予選を兼ねたワールドカップは、2016年2月21日、リオデジャネイロで行われた。板橋は、女子高飛び込みの準決勝で296.35点を叩き出し、10位となって決勝へ進出。初めての五輪出場を決めた。
近日開幕されるリオ五輪に向け、
演技上達はもちろん、失敗しても切り替えられるようにメンタルも強化したい
と板橋は語っている。[出典3]