宇野重吉

生い立ち

宇野重吉は1914年9月27日、福井市太田町の農家に生まれる。本名は寺尾信夫。
旧制福井中学を経て、上京し、新聞配達のアルバイトをしながら日大芸術科に進学し、中退。^[出典1]

芸能活動

劇団民芸を創立 演出家として活躍

宇野重吉は1932年にプロレタリア演劇研究所に入り、1938年に久保栄の『火山灰地』に泉治郎役で出演した。

1950年に滝沢修と劇団民芸を創立し、日本の代表的な劇団に育てあげた。
1955年に『西の国の人気者』で芸術祭賞、1962年に『イルクーツク物語』の演出で芸術選奨、1963年には『消えた人』など3部作でテアトロン賞、1981年には『わが魂は輝く水なり』と『古風なコメディー』の演出で、紀国屋演劇賞などを受賞した。また、長年の演劇活動に対し紫綬褒章が授けられている。^[出典1]

『破戒』『痴人の愛』など映画にも数多く出演し、ひょうひょうとした演技が注目された。^[出典1]

全国縦断公演「宇野重吉一座」を成し遂げる

1985年9月、「宇野重吉一座」と銘打ち、全国縦断の地方公演を始めた。
しかし左肺を癌に侵されていることがわかり、摘出手術を受けた。退院後、間もなく「芝居は無理」との医師の反対を押し切り、大阪・枚方での公演から舞台に復帰した。点滴・酸素吸入をしながら一座の地方公演を完了した。^[出典1]

地方公演が終わると、民芸公演に参加した。武者小路実篤作の『馬鹿一の夢』を自ら演出・主演し、復帰後初のふるさと福井公演での舞台を見せた。この後、東京・三越劇場で昼夜2回公演8回を含めて計25回の舞台を務めた。最終日の公演は注射で発熱を抑え、観客から拍手喝采を浴びた。しかしこの後、再入院した。^[出典1]

私生活

73歳で他界

宇野重吉(本名・寺尾信夫)は1988年1月9日正午、肺がんのため東京都渋谷区の榊原記念病院で死去した。73歳であった。^[出典1]

出典

1. 『宇野重吉さん死去』(福井新聞ONLINE)