劇団で3年半ほど鍛錬を積んだが、彼は進路を変更して建設会社の社員となった。
そこから1年半は作業員として働いていた松重。
27歳の時、松重はかつての芝居仲間から舞台の誘いを受ける。[出典10]
自分がやっていることと真逆の方向に走りたくなる衝動を止められなかった[出典11]
最終的に俳優業へ戻ることを決心した松重は、当時のことをこのように振り返った。[出典11]
下積み時代
芸能界に戻ってきた松重豊だが、しばらくはまたアルバイトで生活をつないでいたそう。
そして30歳頃のこと。
石屋で働いていた彼は、ハードかつ環境の悪い職場に痺れを切らし、
砂をすくうシャベルをバーンってぶん投げて“俺はもう二度とバイトしない!!”って(笑)[出典10]
と、そんな生活から脱却するために、芸能事務所の社長と相談して舞台の本数を増やしたようだ。[出典10]
その頃にはもう松重は結婚していたらしく、妻も子供もいたと語っている。
役者の仕事のみで家族を養うため、彼は満身創痍になりながらも数々の作品に出演していき、下積みが報われたのは松重が34歳の頃だった。[出典10]
「バイプレーヤー」としての活躍
1997年、NHK大河ドラマ『毛利元就』の吉川元春役に抜擢。
それ以来、松重豊はドラマや映画への出演が多くなったようだ。[出典2]
2007年には貫地谷しほり主演のNHK連続テレビ小説『ちりとてちん』に出演し、彼女が扮するヒロインの父親役を演じている。
同年の映画『しゃべれども しゃべれども』においては、第62回毎日映画コンクール助演男優賞を受賞。
かくして「バイプレーヤー」として名を挙げていった松重豊。
彼は2012年に『孤独のグルメ』(テレビ東京系)の主演を飾るに至った。[出典2]
ベテラン俳優・松重豊について
30年を越えるキャリア
松重豊は芸歴30年を越えるベテラン俳優。
舞台や映像作品のみならず声優業にもチャレンジするなど、幅広いステージで活躍中だ。[出典12]
そんな松重は公式ブログのプロフィールページにおいて、
以後今日に至るまで、舞台、映画、テレビに節操なく出演[出典7]
と、多数に及ぶであろう自身の出演作について言及している。[出典7]
実はお酒好き
『孤独のグルメ』(テレビ東京系)で松重が演じる主人公・井之頭五郎は下戸という設定だ。
そのため、松重についても”飲めない”というイメージを持っている人は多いよう。
しかし松重は実際、お酒が好きだという。[出典13]
同作の制作関係者によれば、毎日のように晩酌するほど大好きという情報も。[出典1]
そんな松重は、ヱビスビールのCMに出演している。[出典13]
ナレーターとしての経験も豊富という彼が、ビールの美味しさについて「実況」する。
グルメドキュメンタリーでも魅せる演技ならぬ松重の実況は、現場でも十分に納得されるものだったそう。[出典14]
甲本ヒロトとの意外な関係
ベテラン俳優として名を馳せる松重も、そこに至るまでは順調な道ではなかった。[出典8]
彼は大学時代、下宿先のそばにある下北沢の「珉亭」という中華料理店でアルバイトをしていたことがあるそう。
そして、そのバイト先の同期がなんとミュージシャンの甲本ヒロトである。[出典15]
のちにTHE BLUE HEARTSのボーカルとしてデビューする甲本だが[出典16]、10代の頃は松重とともに夢を語り合う仲間であったらしい。[出典15]
松重は「珉亭」を訪れた際のブログ投稿で、当時の回想を綴っている。[出典17]
バイトがはねて店でビール飲んで、
寿湯って銭湯が隣にあってひと汗流し、
日当握って濃い酒を飲みに行く。[出典17]
福岡県出身、1963年生まれ。蜷川幸雄主宰の蜷川スタジオを経て、舞台、テレビ、映画と様々な作品で活躍。映画『しゃべれどもしゃべれども』にて毎日映画コンクール男優助演賞を、『ディア・ドクター』にて第31回ヨコハマ映画祭 助演男優賞を受賞。主な出演作として、映画『血と骨』、『孤高のメス』、『アウトレイジ ビヨンド』など。ドラマでは、『ちりとてちん』『運命の人』『孤独のグルメ』NHK大河『八重の桜』山本権八役で出演。
出典:タレントデータバンク