『野性の証明』は、屈指の殺人能力を備えた男が、ひとりの少女に自らの人間性の回帰を託すストーリーだった。[出典11]
▼映画『野性の証明』
『駅 STATION』
1981年に公開された主演映画『駅 STATION』は、射撃の元オリンピック選手の三上刑事の生きざまを追ったヒューマンドラマだ。
高倉健扮する三上は、強い正義感の持ち主。そのため、1度あやまちを犯した妻を許すことができずに離婚してしまう。
そんな折に勃発した警官射殺事件を受けて、オリンピックよりも犯人逮捕を優先しようとする三上に対し、上司は大会出場を強く薦めるが……。[出典12]
『夜叉』
1985年に公開された主演映画『夜叉』では、田中裕子やビートたけしと共演した。
高倉健はかつて大阪・ミナミで「人斬り夜叉」と呼ばれた元ヤクザを演じ、田中裕子演じる水商売上がりの女と共に漁港で居酒屋を開く。
しかし平穏な毎日は、ビートたけし演じる覚せい剤の売人が現れたことで一変し……。
劇中、覚醒剤中毒となり刃物を振り回す怪演を見せたビートたけしは当時を振り返り、
健さんは『夜叉』の時、差し入れを持ってきてくれたんですが、寒い中、健さんがストーブに当たらないから、誰も当たれなくなっちゃう。寒いし、お願いですから帰ってくれませんか?と思いました(笑)。[出典13]
健さんは映画の現場で椅子に座らないって以前に言ったら、『あんたのおかげで俺は椅子に座れなくなった』って言われて(苦笑)。[出典13]
と、高倉健の人柄を感じさせる逸話を披露。これについて高倉は、
訂正します。全部、タケちゃんの作り話です[出典13]
▼共演したビートたけし
中国監督作『単騎、千里を走る。』
俳優・高倉健の名前を中国全土に知らしめるきっかけとなった主演映画『君よ憤怒の河を渉れ』。
これを観た若き日の張芸謀(チャン・イーモウ)監督の、
いつか、高倉さんの映画を撮りたい[出典15]
という思いが結実したのは、2006年に日本で公開された『単騎、千里を走る。』でのこと。[出典15][出典17]
▼『妻への家路』チャン・イーモウ監督 インタビュー 高倉健さんは最も敬愛する人
余命わずかとなった民俗学者の息子に代わり、京劇「千里走単騎」の撮影のため、中国へ飛ぶこととなった高田(高倉健)。
親子にとってこれは、積年の確執によって生まれた溝を埋めるための旅だった。[出典15]
遺作となった『あなたへ』
『単騎、千里を走る。』出演後、6年に渡ってどんな作品にも出演しなかった高倉健。
もともと1つの作品に出演する毎に深い喪失感を味わうタチだと語っていたが、同映画は高倉によほど強い影響をもたらしたようだ。[出典17]
人に話してもわかってもらえないと思うんだけど、やっぱり『単騎、千里を走る。』の百数十人のスタッフから受けた影響というのが、間違いなく僕のなかでは大きかった[出典17]