ただ映画を撮ってお金をもらう生活というのが、とてもむなしく感じたんです。[出典17]
なんとなく、恋愛みたいなものなんじゃないの。多分、恋愛だよね。じゃなきゃ泣きませんよ。お金もらうところじゃないんだもん、映ってないところで泣くんだから。泣くんですよ。大の大人が。それが中国は強烈だったってことでしょうね。[出典18]
そんな高倉がオファーを快諾した『あなたへ』は、『駅 STATION』や『夜叉』、『あ・うん』や『鉄道員(ぽっぽや)』でタッグを組んできた降旗康男監督作品である。[出典17]
▼映画『あなたへ』
『あなたへ』は、亡き妻(田中裕子)の「故郷の海に散骨してほしい」という願いが綴られた手紙を受けっとた夫(高倉健)が、自家製のキャンピングカーに乗り込み、妻の故郷・長崎の港町を訪れるストーリー。[出典17]
映画出演205本目にあたる同映画は、高倉健の遺作となった。[出典19]
ドラマ『あにき』
銀幕のスターとして数多くの映画に出演、主演してきた高倉健が、唯一主演したドラマが倉本聰脚本の『あにき』(TBS系)だった。
高倉自身、
思い入れの強い作品[出典20]
と語っている『あにき』は、視聴率こそ光らなかったが、内容は一級品だとか。出演当時46歳、男盛りの名演はファン必見![出典20]
「唐獅子牡丹」を歌う
俳優としてその名を轟かす高倉健は、1958年に「その灯を消すな」を発売し、歌手活動を開始。
デビュー後は、『居酒屋兆治』などといった主演映画で主題歌を担当した。
『網走番外地』の主題歌は歌詞の一部が「反社会的」と捉えられ、一時は放送禁止となったがダブルミリオンを達成。
また『昭和残侠伝 唐獅子牡丹』の主題歌「唐獅子牡丹」は今でも歌い継がれる名曲として知られている。[出典21]
▼『昭和残侠伝 唐獅子牡丹』
追悼・高倉健
2016年11月19日から2017年1月15日にかけて、東京ステーションギャラリーにて「追悼特別展 高倉健」が開かれた。
同展は、高倉健の3回忌を迎えるにあたってその功績を顕彰しようとするもので、貴重なフィルムや本人私物を多数展示した。[出典22]
高倉健のエピソード
たけしを2度もお出迎え
前述のとおり、映画『夜叉』での共演以来、「健さん」「タケちゃん」と呼び合うまでになったというビートたけしは、高倉健との出会いを次のように明かしている。
雪の中でね、深夜に着いたのかな。雪がワーワー降ってて、ドア開いたらね。20年前だけど、花束を持って健さんが立ってたの。驚いちゃってさ。「高倉です」とかいって「今回はありがとうございました」って花(束)もらっちゃって……[出典23]
雪の降るなか、撮影現場入りするなり花束を持った高倉に出迎えられたというたけし。
また、『あなたへ』で2度目の共演を果たした際も、高倉はたけしのクランクインを待ち遠しく思い、たけしを駅まで迎えに行ったそうだ。[出典23][出典24]
▼たけしタジタジ!?