加藤シゲアキの小説の評価は?『ピンクとグレー』で小説家デビュー
NEWSの加藤シゲアキは2012年1月の『ピンクとグレー』で小説家デビューを果たしています。今回はそんな加藤シゲアキのこれまでの作品をまとめてお届けします!
2016年8月25日更新
加藤シゲアキの小説
ジャニーズのアイドルグループ・NEWSの加藤シゲアキは2012年1月28日に発売した『ピンクとグレー』で小説家デビュー。アイドル業の傍ら、小説家としても活躍している。そんな加藤は小説家デビューを前に名前を成亮からカタカナ表記のシゲアキに改名した。[出典1]
今回はそんな加藤シゲアキがこれまで執筆した単行本4作品をまとめてお届けする。
小説の映像化も!!
2012年1月に『ピンクとグレー』で小説家デビューし、その後『閃光スクランブル』『Burn.‐バーン‐』『傘をもたない蟻たちは』とこれまで4つの単行本を執筆した加藤シゲアキ。デビュー作『ピンクとグレー』は映画化され、2016年1月9日に公開、『傘をもたない蟻たちは』も2016年1月に連続ドラマ化されてフジテレビ系で放送された。[出典2]
▼映画化された『ピンクとグレー』。映画の予告編がこちら
デビュー作『ピンクとグレー』
『ピンクとグレー』は、加藤シゲアキ初の小説。2012年1月28日に発売された。[出典3]
小説の内容は?
全272ページに及ぶ長編小説で、芸能界を舞台に成功と挫折という2つの道を歩む親友同士の切ない人生を描いたもの。
大阪から横浜に引っ越した小学生の河田大貴は、同じマンションに住む鈴木真吾と出会い、中学、高校、大学とともに青春時代を送る。
2人は高校生の時にバイト代わりに芸能活動をスタート。真吾はスターの道を駆け上がっていったが、大貴はエキストラから抜け出せず取り残されていく。結果、2人は決裂してしまうが、再び巡り合った時に運命の歯車が回り出すといったストーリー。[出典4]
小説を書いたきっかけ
加藤シゲアキは『ピンクとグレー』を書いた理由について、
NEWSのリリースもグループ活動もままならない、混沌とした時期でした。僕は役者の仕事もあるけど、何よりも書きたかった。自分の個性になったらいいし、メンバーのためになるかとも思いました[出典4]
と語り、NEWSのメンバー離脱がきっかけの1つにあることを明かしている。[出典4]
また、小説のタイトル『ピンクとグレー』に込めた意味については「あいまいな2色の対比にしたかった」からと話した。[出典5]
子供の頃から文章を書くのが好きで、
25歳までに小説を書くと決めていた[出典4]
という加藤。
完成後、ジャニーズ事務所関係者が原稿を角川書店に持ち込んだところ、トントン拍子で出版が決定した。[出典4]
物語そのものはフィクション!しかし……
小説は芸能界が舞台で、2人の若者が成功と挫折といった真逆の道を歩む展開で、メンバーが別々の道を進むことを決めたNEWSと重なる内容。
しかし、加藤シゲアキは「フィクションです」と強調。一方で「自分が体感したり傍観したことが反映されてるとは思う」と話している。[出典1]
夢は直木賞!!
加藤シゲアキはデビュー作『ピンクとグレー』の発表直後に、小説家としての夢として直木賞を挙げている。[出典4]
客観的に見ても加藤には充分に力量があるようで、出版元の角川書店担当者は『ピンクとグレー』について、
新人賞募集作品の中でもレベルが高い。リアリティーをもっており、一気に約270ページを読ませる力がある。文学ファンにも受け入れられる[出典4]
と高く評価していた。[出典4]
『ピンクとグレー』は総合4位に初登場
『ピンクとグレー』は、オリコン本ランキングBOOK総合部門で、週間2.8万部を売り上げ、初登場4位にランクインしている。文芸単行本部門では、芥川賞受賞作の田中慎弥の『共喰い』に続く2位と、作家として好スタートを切っていた。
著名人による小説作品の総合部門最高位は、お笑いコンビ・麒麟の田村裕の『ホームレス中学生』が獲得した4位。加藤は発売後、わずか2日でタイ記録をマークした。 [出典6]
デビューから1年後には2作目『閃光スクランブル』を発表
加藤シゲアキは、小説家デビューから1年後の2013年には2作目の小説『閃光スクランブル』を発表した。[出典7]
どんな内容?
小説は東京・渋谷駅前のスクランブル交差点を舞台に、女性アイドルとパパラッチ男性の運命が交錯する物語。[出典7]
加藤は、
中学、高校、大学と通った思い出の地、渋谷と芸能界は自分にしか書けないこと[出典7]
と話し、
2作目の成長を感じるものにしたかった。120点ぐらいの感覚です[出典7]
と手応えを口にしていた。[出典7]
なぜ登場人物を女性アイドルに?
登場人物を女性アイドルにした理由を、加藤シゲアキは「男性アイドルにすると、僕の顔がちらつくかもしれないから」と明かしている。
加藤は、書店を訪れた際に自著がサブカルチャーコーナーのジャニーズ暴露本の隣に置かれていたため、小説の棚に自分のコーナーが設けられるのことが夢だった加藤はショックを受けたという。[出典7]
加藤は、
ジャニーズ本と言われるのは嫌。アイドル作家ではなく、アイドルで作家と言われたい[出典7]
と語っている。[出典7]
3作目『Burn.‐バーン‐』は集大成!
2014年には、小説家・加藤シゲアキとしての3作品目『Burn.‐バーン‐』を出版した。[出典8]
ストーリーは?
出版元の角川書店によると、ストーリーは以下の様である。
人間らしい心を失ってしまった天才子役・レイジは、魔法使いのようなホームレス・徳さん、愛に満ちた気さくなドラッグクイーン・ローズと、渋谷の宮下公園でめぐり逢う。
媚びることなく自らの力で生きている彼らに触れ、レイジの心は溶け始める。次第に家族のようにお互いを慈しむようになり、幸せな時は永遠に続くかと思われた。
だが無慈悲で冷酷な力が3人に襲いかかり、レイジはただひとつの自分の居場所であった宮下公園から引き離されてしまう。[出典8]
集大成の作品として
加藤シゲアキが集大成と位置付けた3作目のテーマは、家族と火。デビュー作『ピンクとグレー』、その後の『閃光スクランブル』と渋谷が舞台の作品を今回の『Burn.‐バーン‐』で完成させた形だ。
加藤は、執筆に半年かかったと振り返り、最後の1カ月は毎日ソファで寝るなど、生みの苦しみも明かしていた。[出典9]
また小説のタイトルについては、
ぬくもりといった人間らしさを覚えていくことと、燃えろといった意味も込めました[出典9]