2019年11月29日更新
注目のNHKドラマ『夏目漱石の妻』。没後100年を迎える文豪の知られざる夫婦生活の見どころは?
夏目漱石没後100年を記して、NHKドラマ『夏目漱石の妻』がいよいよ2016年9月24日より放送される。豪華キャストで贈る、名作の裏に隠された激動の夫婦生活を描く。
種類 | テレビ番組 |
開始日 | 2016年9月24日 |
NHK土曜ドラマ『夏目漱石の妻』
https://twitter.com/nhk_dramas/status/773473683620843520
2016年9月24日より放送開始の、NHKドラマ『夏目漱石の妻』。
今年が没後100年の夏目漱石を、その妻・鏡子の視点から描く物語だ。
妻・鏡子と、長女・筆子の夫で小説家の松岡譲が、漱石について綴った『漱石の思い出』が原案となっている。[出典1]
頭脳明晰で几帳面だが、とんでもなく気難しい漱石を長谷川博己、
すぐに自分の考えを口にするおおらかな妻・鏡子を尾野真千子が演じ、
対照的な2人が家庭を築いていく様を、鏡子の視点からユーモアを交えて描いている。[出典2]
あらすじ
夫婦の自然なアドリブに注目
夏目漱石を演じる長谷川博己は、漱石の著作・資料を徹底研究するとともに、夏目夫妻が新婚生活を送った熊本をプライベートで訪問したりして漱石像を構築していたという。[出典4]
注目記事
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一方、尾野真千子は台本から、あくまで“直感”で鏡子像をつくりあげていったといい、
はからずも神経質で気難しい漱石と、天真爛漫な鏡子の夫婦像を彷彿とさせる役作りとなった。[出典4]
撮影現場では、台本が終わっているのに、監督がわざと「カット!」の声をかけずにいることが、たびたびあった。
しかし、鏡子と漱石になりきっている尾野さんと長谷川さんは、ひたすらアドリブの応酬を続け、それがまたおもしろく、完成されたドラマには、かなり使われているという。[出典4]
夏目漱石の名作を支えた夫婦生活
全く性格の異なる2人が、それでもお互いを愛し支えていく物語から、「我輩は猫である」や「坊ちゃん」といった名作を生み出した文豪・夏目漱石の、とても人らしい一面を垣間見ることができるだろう。
脚本を担当した池端俊策は夏目漱石と妻の物語について、こう語っている。
漱石の妻鏡子さんが晩年、孫の半藤末利子さんに「いろんな男の人を見てきたけど、あたしゃお父様(漱石)が一番いいねぇ」と目を細めておっしゃったという末利子さん自身の一文を読み、このドラマはそれを書けば良いのだと思いました。(中略)
二十年一緒に過ごした鏡子さんの苦労は並大抵ではなかった筈です。その難物の夫を「一番いいねぇ」と語った鏡子さんが素敵だと思ったのです。家庭に夢を持ち挫折し、夫婦や親子の関係が崩壊してゆくのを防ぐため必死で闘い、再び夢を取り戻してゆく。明治時代も現代も同じ呼吸で人は生きているのだと実感させられました。[出典5]
演出の柴田岳志は、今作の見どころについて、
漱石の妻、鏡子さんの回想記「漱石の思い出」には、留学先のロンドンから戻った漱石が神経衰弱を患い、妻として家庭を維持するのがいかに大変だったかが生々しく描かれています。
でも同じ事が漱石のペンにかかると、産後のヒステリーで精神不安定になった妻と暮らす夫の苦悩として、緻密に描出されます(「道草」)。
同じ日々の事でも妻と夫の言い分は全く正反対。お互い、相手が病人で大変だったと語っている。性格も感じ方も違う赤の他人が、人生のパートナーとして共に生きていく事の深淵を垣間見た気がしました。
このドラマは、こんな「夫婦」の、身近だが一筋縄ではいかぬ機微を、「吾輩は猫である」の様なユーモアを交えて、じっくりと描きます。[出典5]
と語る。
著名人の夫婦物語には定評のあるNHKドラマだが、今回はどのような夫婦愛が描かれるのか、期待は高まる。