物語に泣き、映像美に泣ける!!新海誠監督作品『言の葉の庭』についてまとめてみた
新海誠監督劇場版4作目『言の葉の庭』は、『君の名は。』を見る前にも、見た前にも抑えておきたい一作。切ない物語と映像美に酔いしれる!!
2023年3月22日更新
『言の葉の庭』って、どんな作品?
▼ 『言の葉の庭』キャッチコピー
”愛”よりも昔、”孤悲”のものがたり。[出典1]
▼ 公式サイトより引用
本作「言の葉の庭」の舞台は現代だが、描くのはそのような恋───愛に至る以前の、孤独に誰かを希求するしかない感情の物語だ。誰かとの愛も絆も約束もなく、その遙か手前で立ちすくんでいる個人を描きたい。現時点ではまだそれ以上のことはお伝えできないけれど、すくなくとも「孤悲」を抱えている(いた)人を力づけることが叶うような作品を目指している。[出典2]
今回の作品も、これまでの『秒速5センチメートル』[出典3]などのように、淡い想いを題材にした作品のようだ。
ストーリー
▼ あらすじ(公式サイトより引用)
靴職人を目指す高校生・タカオは、雨の朝は決まって学校をさぼり、公園の日本庭園で靴のスケッチを描いていた。ある日、タカオは、ひとり缶ビールを飲む謎めいた年上の女性・ユキノと出会う。ふたりは約束もないまま雨の日だけの逢瀬を重ねるようになり、次第に心を通わせていく。居場所を見失ってしまったというユキノに、彼女がもっと歩きたくなるような靴を作りたいと願うタカオ。六月の空のように物憂げに揺れ動く、互いの思いをよそに梅雨は明けようとしていた。[出典4]
デジタル時代の映像文学
▼ 公式サイトより引用
鮮烈なビジュアル表現と、観る者それぞれの心に染み入る物語表現で、国内外の若者に絶大な影響を与えてきた新海誠。そんな次世代のアニメーション監督が二〇一三年に新たなスタッフと送り出すのは、愛に至る以前の孤独 ——。 孤悲の物語。現代の東京を舞台に初めて「恋の物語」を描く。[出典4]
『言の葉の庭』は、新海誠初の「恋」を主題とした物語となった。
特色
▼ 公式サイトより引用
梅雨の季節に日本庭園で出会った、靴職人を目指す少年と歩き方を忘れた女性。彼女が少年に残したのは一篇の万葉集。本作の題材は多様で魅力的だ。独自の感性と言葉選びにより、まるで小説を読むような味わいとテーマ性を持った繊細なドラマを、アニメーションでしか為し得ない表現で紡ぎ出す。[出典4]
日本の伝統である「梅雨」と「庭園」と「万葉集」といった要素を、あえてアニメーションで表現するというところに面白みがある。
彩色
▼ 公式サイトより引用
地雨、夕立、天気雨、豪雨…本作では心の変化や揺れそのもののような、さまざまな雨を丁寧にアニメーションで表現。新海作品の特徴でもある美しい景色はもちろんのこと、本作で出色なのが、その景色の色味や明暗を人物の陰影にまで反映させた色彩。映像から想いが、言葉から情景があふれ出す。[出典4]
そしてなによりも、この作品の特色は雨の表現だろう。背景の魅力だけでない表現を楽しめるはずだ。
▼ Twitterより
https://twitter.com/shinkaimakoto/status/472701787506368512
音声
▼ 公式サイトより引用
新海作品は耳からも染み入る。 記号この時代を生きる若者記号 を情感豊かに演じるのは、実力派声優・入野自由と花澤香菜。新鋭・KASHIWA Daisukeのピアノ曲が、言葉にはならない切ない想いを活写する。また、秦基博が本作のために大江千里の『Rain』をカバーし、普遍に届くメッセージを現代の感性で歌い上げている。[出典4]
新海誠の雨へのこだわり
▼ インタビューより抜粋
「“雨の中で歳の離れた男女が出会う”という着想から始まった企画ですが、雨は3人目のキャラクターといっていいくらいウエイトがありますね。実際に雨宿りをしているお話であることと、人生の途中で立ち止まっている象徴としての雨宿りを描いているからです」。[出典5]
この作品では、雨という自然現象を表現の象徴としていることを示した。