映画『怒り』で大抜擢!佐久本宝って誰?佐久本宝の経歴と映画の見どころに迫る
佐久本宝という俳優を知っていますか?演技経験の無い無名俳優ながら映画『怒り』に大抜擢され、注目を集めています。今回はそんな佐久本宝に迫ります!
2022年9月12日更新
『怒り』に抜擢された佐久本宝
\おめでとうございます/
— 沖縄タイムス (@theokinawatimes) 2017年1月16日
沖縄の高校生が日本アカデミー賞新人俳優賞に選ばれました。https://t.co/K2cdDZWfSt#怒り #佐久本宝 #日本アカデミー賞新人俳優賞 #沖縄 pic.twitter.com/ueziO93dph
吉田修一氏原作で李相日監督がメガホンを取った映画『怒り』に、佐久本宝が抜擢された。
主演を渡辺謙、その他宮崎あおい、妻夫木聡、綾野剛、広瀬すずら超豪華キャスト陣で繰り広げられる映画に、突如彗星のごとく現れた佐久本宝。
一体どんな人物なのか、作品の見どころとともにご紹介!
映画『怒り』の主なキャスト
千葉パート
千葉パートには渡辺謙演じる洋平、宮崎あおい演じる愛子、松山ケンイチ演じる田代らが登場する。
ある日、漁港に務める洋平のもとで正体不明の男・田代が働き始める。
その田代は洋平の娘・愛子いつしか交際を始めることに。
洋平は二人の幸せを願いつつも、前歴不詳の田代の過去に疑念を抱き、苦悩していく。[出典1]
東京パート
東京パートには、妻夫木聡演じる優馬、綾野剛演じる直人、高畑充希演じる薫らが登場する。
同性愛者の優馬は、同居を始めた直人に次第に惹かれていく。
しかし、薫との密会など、直人の不可解な行動に不信感を募らせる。[出典1]
妻夫木聡が綾野剛とベッドシーン!映画『怒り』で魅せた究極の演技に迫る!
沖縄パート
沖縄パートには、広瀬すず演じる泉と、森山未來演じる田中、佐久本宝演じる辰也らが登場する。
ある事件をきっかけに心を閉ざしてしまった泉と、その泉を救えず苦悶の日々を送る同級生の辰也。
泉らを親身に支える田中であったが、無人島で暮らす彼の素性を知る者は誰もいなかった。[出典1]
広瀬すず、『怒り』の迫真の演技がすごすぎる!オーディションで勝ち取った『怒り』での咆哮
1200人のオーディションを勝ち抜き、佐久本宝が映画『怒り』に大抜擢
非常に厳しい撮影で知られる李相日監督がメガホンを取った映画『怒り』に、まだ無名の新人俳優・佐久本宝が大抜擢された。
佐久本宝は東京・沖縄で行われた1200人が参加したオーディションを勝ち抜いた末に選ばれたという。[出典2]
李相日監督が直々に招待
李相日監督は佐久本宝が沖縄で出演した舞台の現場を直接観に行き、「この子、オーディションに呼んだら?」と直々に招待したのだという。
佐久本宝はその話を聞き、楽しそうだなと思ってオーディションを受けた。
受けたときには“映画のオーディション”ということだけ知っていて、何の映画かもよくわからなかった状態だと語っている。
オーディションは沖縄と東京で2回あり、最終オーディションを受けたあとに、両親と一緒に監督と会って話をして。
その翌日に「宝で辰哉をやりたいと思った」という監督からの手紙がポストに入っていました。
決まったときは、お父さんとお母さんも「監督を信じてついて行きなさい」と背中を押してくれて、本当に嬉しかったです。[出典3]
とコメントしており、まさに大抜擢を勝ち取る結果となった。[出典3]
佐久本宝はどんな役?
映画『怒り』は、「怒」の血文字を残して未解決となった事件から1年後、千葉、東京、沖縄に突如現れた謎の男たちを巡って繰り広げられる壮絶な群青劇である。
佐久本宝は沖縄パートに出演しており、沖縄パートには、鍵を握る謎の男・森山未來演じる田中と、広瀬すず演じる泉らが登場する。
佐久本宝が演じる辰也は、ある事件をきっかけに心を閉ざしてしまった泉に対し、泉を救えず苦悶の日々を送る同級生の役どころである。
▼公式Twitterでも取り上げられる佐久本宝
https://twitter.com/IkariMovie/status/760317361882750976?ref_src=twsrc%5Etfw
李相日監督の厳しさ
撮影に対する李相日監督の厳しさは並々ならぬものがあったようで、 沖縄パートで佐久本宝と共演した広瀬すずとの若い二人には、あまりにも重い感情を背負う濃密なパートだったという。
初日から李監督は広瀬すず、佐久本宝とじっくり話し合いながら20回、30回と同じ芝居を続けていった。
「それっぽい」芝居では決してOKなど出ず、なんと撮影初日は一度もカメラを回さなかったという。
李監督は、
そこにいるのが泉でない以上は、丸一日潰してでも泉を見つけていかなきゃいけない[出典4]
と語り、リアルに“役を生きる”まで妥協を許さない李演出の象徴的な一コマを明かした。
広瀬すずも佐久本宝もその厳しさに必死で食らいついていき、『怒り』の作中では迫真の演技を魅せている。[出典4]
あまりの厳しさに広瀬すずは、
監督がご飯を食べている姿を見て、『監督も人間だ、人間だ』と思うようにしていた[出典5]
リハーサルを繰り返しやったシーンで、分からなくなり過ぎたのですが、監督が来てくれて『監督のバカ野郎! って叫んでいいよ』って言ってくださって、実際に叫んだら『よし!』と思えた。本当にすごい経験をさせてもらいました[出典5]
とその壮絶さを吐露し、会場を笑いで包んだ。[出典5]
完成した『怒り』を観た感想
完成した映画『怒り』を観た感想を質問されると、
まず自分が映ってることにびっくりしました(笑)。ただ、後半になるにつれて不思議と自分がいるという感じじゃなくなって、客観的に映画を観ることができて。観終わったあとにそういう自分が不思議な感じがしました。[出典3]
と答えている。
また、錚々たるキャスト陣との共演や厳しい撮影で有名な李相日監督に対しては、
最初のリハーサルのときから、助監督の方に「李組はほんとに厳しいからな」って繰り返し言われてて(笑)。最初のリハではやっぱリ何もできない状態でした。李監督に『2001年宇宙の旅』の映像を観せられて、サルみたいな原始人の縄張り争いが始まってだんだん進化していく内容なんですけど、「宝、お前、サルをやれ。恥を捨てるんだ」って言われて。会議室で助監督と一緒に二人で必死に縄張り争いをやりました。そのあと監督から「時間をあげるから、あとで衣装合わせのときにみんなの前でやれ」って。そのときに「ああ、こういう厳しさがあるのか」って思いました。監督からはあとで「あれは、お前が肩張って緊張して入ってきてたから、やわらげてあげるためにやったんだよ」って言われましたけど、逆に緊張しました(笑)。[出典3]
と振り返り、李相日監督ならではの演出に笑みを見せた。[出典3]
撮影中に感じた李相日監督のパワー
『怒り』の撮影が開始すると、初日は一度もカメラを回さず、リハーサルだけで終了したのだという。
李相日監督は、「うーん、なんか違うな」と納得はしないながらも、絶対に「こうしろ」と断定することはなかったと佐久本宝が明かしている。
「もう少し考えてみて」「もう少し自分で“受け取って”やってみて」って。考えてやろうとしたら、「“やろう”としなくていいから。やろうとしたら、もうダメだから。(自分が)辰哉だと思ってやって」とずっと言われてましたね。「考えるな、感じろ」みたいな感じでした。でもスタッフの人たちが本当に優しく接してくれて、現場の居心地はとても良かったです。最初は不安もあって固くなってしまいましたが、スタッフの人たちと打ち解けてからは、あまり無理にやろうとはならなくなりました。[出典3]
みんな言うんですけど、李監督と一緒にいると本当に安心感が出てくるんですよ。監督は本番の前に必ず背中に手を当てて「よし、行ってこい!」って言ってくれるんですけど、その手から出るパワーみたいなものが、自分の心の支えになっていました。[出典3]
と語っており、李相日監督のパワーを実感した様子であった。[出典3]
役作りのために2級船舶免許を取得
佐久本宝は、映画『怒り』の撮影にあたり、なんと2級の船舶免許を取得したという。
撮影後に印象に残っているシーンを尋ねられた際にも、
船を運転するシーンです。映画のために2級の船舶免許をとりました。このシーンだけは、すべてのものから解放されている気がして楽しかったです。広い海をどんどん一人だけで行く、ここだけは監督も入ってこれない領域だなって(笑)。実は、僕は台本をもらってなくて、当日に監督が「今日この場面をやるから、覚えて」という感じだったんです。そういうこともあって、どのシーンも広瀬さんと森山(未來)さんにすごく助けられて、引っ張ってもらいました。[出典3]
と語っており、他のキャスト陣に引けを取らぬ壮絶な役作りに徹した旨を明かしている。[出典3]
壮絶なクライマックスでは魂の咆哮も
撮影も終了間近を迎え、沖縄の離島・前島でのクライマックスシーンの撮影に入ると、森山未來と佐久本宝、李相日監督の三人だけで島に宿泊し一晩かけて話し合ったという。
本番の芝居は、台本からも、前日の段取りからも大きく変わり、想像を遥かに超えるエモーショナルな芝居が生まれた。
森山未來と佐久本宝はほとんどテイクを繰り返すことはなく、まるで二人のドキュメンタリーを切り撮っているような会心のシーンとなったという。
壮絶なクライマックスシーンでは魂の咆哮も飛び出すなど、見所満載のシーンが完成した。[出典5]
李相日監督への印象を語る
『怒り』の完成報告会見で佐久本宝は、李相日監督への想いを語った。